誰かのなんでもない夜が、最初の一歩の夜だった話
サクッとまとめた動画です。
*写真協力:吉田幸雄
8月27日。新宿区神楽坂。
これまでにないプレゼン大会観戦イベント『シンポシオン』が
産声をあげました。
30席満員御礼。
「言論」と「飲酒」を自由の両翼に掲げた
勇者の冒険はここに始まったわけです。
今日、お話したいこと
1. おとなが求めているもの
2. おとなたちの大義名分
3. そして、何が起こったのか
4. そして、未来へ
おとなが求めているもの
国産ビールの消費量が年々減少し苦戦する中、
野外やビールレストランなどで行われるビールフェスティバルが好調
なんです。
オクトーバーフェストを運営するIEP JAPAN株式会社の
2012年2月から7月の売上高は158,366,000円でしたが、
2015年8月から翌7月の売上高は1,043,000,000円と
約6.6倍を見込んでいます。
この動きは、
「まんパク」「肉フェス」「東京ラーメンショー」
など枚挙の暇がありません。
「花見」を例に取るまでもなく、
大のオトナが、堂々と野外でお酒を楽しむ機会を
常に「密かに」うかがっている日本人の奥ゆかしさが垣間見られます。
おとなたちの大義名分
出演者控え室
「花見」の時に何をするのか。
と考えると、雑談と飲酒ですよね。言い換えるならば、
おしゃべりと酒を飲むために集まるわけですね。
ここに大義名分を与えて “やれば” 、
おとなはやりたいことをやりはじめるはずなんです。
そして、やりたいことには
お金も払うし、
全力で面白くしようとするんです。
誰かから、やらされるんじゃなくて
一方的に与えられるんじゃなくて
自分が作り上げているんだという「感覚」
が大事なんです。
全体の中の、ごく一部だったとしても。
そして、何が起こったのか
出演者には紹介ショート映像をご用意しました。
ルールは簡単です。
5人の様々な職業、生き様のプレゼンターが
その場で与えられるテーマについてプレゼンをします。
討論ではないので、自分の時間が始まれば
完全に自分との戦い。
普段から考えていること
思想・教養・価値観が一発で明るみに出るわけです。
これは、熱狂しますよ。
極端な話。一夜にしてヒーローになる人もいれば、
逆に地に堕ちる可能性もあるわけです。
もちろん、私の選んだプレゼンターは全員
勝者であり、グッドルーザーでした。
最終的には、観衆の拍手喝采で優勝者を決めるわけですが、
それとは別に、各人一人一人の心の中で
勝者と敗者として
各キャラクターが記憶されるという厳しい世界です。
イベントを盛り上げるスタッフ。
当日はMCとマジシャンとプロカメラマンが
手伝ってくださったのですが、
実は彼らも「評価」という物差しで
勝者だったり敗者だったりするわけです。
まあ、これは世界の縮図でしかないわけです。
そして、未来へ
言論イベント『シンポシオン』は
『シンポシオン計画』の序章に過ぎません。
第二回は、プレゼン大会観戦イベントでありながら
会場をプロレスのリングに移し、
ビールも飲み放題にする方向で調整を進めています。
なんつったって、目指すところが「オクトーバーフェスト」
なんだから、当たり前の流れではありますが。
しかも、本当は
野球場で躍動するビールの売り子さんたちを
呼びたかったのですが
これが技術的に困難なことが明らかになりました。
なんとか、より近い状況を再現できるように工夫したいと思います。
第二回の日程は、まもなく発表となります。
ビールの飲み放題が実現した場合、
女子大生は入場を無料とすることが決まっています。
もちろん、リングに上がるプレゼンターも
質・量ともにグレードアップします。
お楽しみに!
今回、私が会った人
第一回大会チャンピオン
zack
第一回大会チャンピオン
毛利大介
プレゼンター
zack
毛利大介
小林沙織
大津輝明
今井晃
MC
兼田玲菜
マジシャン
矢野達也
カメラマン
吉田幸雄
ロゴデザイン
熊谷大河
評価が物理的価値を生み出した二大モデルの対談を実現した話
今、流行りの資金調達「クラウドファンディング」で889,000円の支援を得て、1万人に想いを発信しながらの世界一周。
やる気のない学生だった私にとっては、自分で団体を立ち上げ代表を務めるようなリア充系の女子なんて、苦手に決まっている。でも、成し遂げたことの大きさに対する好奇心が勝り、以前こちらでインタビューさせていただいた方にご紹介をいただき、お会いすることができました。
法政大学で心理学を専攻する赤田佳奈絵(あかだかなえ)さんは、想像以上にキュートでした。
今日、お話したいこと
1.親切を負債と感じていた頃の少女
2.クラウドファンディングで世界一周の必然性
3.クラウドファンディング成功の秘密
4.クラウドファンディング成功以後に感じた課題
親切を負債と感じていた頃の少女
“人生は旅である”
でも、それは「旅」を選んだ人だけ。ある人の人生はパッケージツアーかもしれないし、ある人の人生は修学旅行かもしれない。
ここに隠された思いは「チャレンジをすることに意味がある」というもの。
20歳の大きなチャレンジ。多くの人のお世話になりながら達成した2,000キロのヒッチハイクの旅。「他人様に迷惑をかけるな」と教育された赤田さんに芽生えた感情は、親切を受けるたびに積もっていく「負債」の感覚。
ヒッチハイクでお世話になった方に、赤田さんは思い切って聞いてみたそうです。
「私はただの20歳の女子大生で、返せるものなんてなにもありません。このお世話になった気持ちを、どう返したらいいのでしょうか?」
回答は
「返さなくて良いんだよ。自分に返したら、ここで終わりじゃない?目の前の自分じゃなくて良いから、その気持ちを、次の誰かに贈ってあげてね」
「返さなくていい」の言葉に、積もりに積もった親切の負債がすっと消えるような感覚だったと言います。
クラウドファンディングで世界一周の必然性
ヒッチハイクや旅で気付くことができた出逢いの素晴らしさから、日常でも素敵な出逢いのきっかけを発信したい。それが私が次に繋げる恩返し。そう思って、同じステッカーを持った誰かにとっての素敵な人が、また誰かにとって素敵な人と繋がるきっかけとなる目印として、出逢いの連鎖を巻き起こしたいと思っていた赤田さんですが、
もう一つのミッションとして、「自分らしく発信し続ける」ことがありました。
「出逢いのきっかけをつくりました!」「世界一周しました!」「できました!」で終わりではなく、
その姿を通して、伝えたい思いがありました。
“プロセスもチャレンジでなくてはならない”
バイトでお金を貯めるなら、誰でもできる。資金調達は、クラウドファンディングや企業協賛でこそ、やる意味があったというわけです。
しかも、その発信力を味方につけるために、日本で最初のそして最大のクラウドファンディングプラットフォームである「READYFOR?( readyfor.jp)」が選ばれました。
※クラウドファンディングは、インターネットを介して不特定多数の個人から資金(支援金)を集めるサービスです。新しい資金調達の手段として注目されており、世界中で500以上のクラウドファンディングサービスが存在します。
クラウドファンディング成功の秘密
もともと自分のしたいことや、自分自身が変われた"旅"が切り口でなくてはならない理由を、口で語って来た赤田さんにとって、身近な人に伝えてきた想いのひとつひとつが、クラウドファンディングの成功へとつながっていたように思われます。
これまで、赤田さんの携わったイベントの参加者が約300人以上。自分の企画に意義を感じてくれる人が、その中から出てきてくれれば、クラウドファンディングは成功すると信じていたと言います。
企画そのものについては、いろんな人に相談し、初めてで分からないことが多いながらも、一生懸命丁寧につくっていきました。
振り返って、赤田さん自身は「準備がすべてです」と、成功の理由を語ってくれました。
クラウドファンディング成功以後に感じた課題
旅の途中から、湧いてきた「発信」に対する怖さ。
「発信」をキーワードにスタートした旅であったために、見てくれている人に意識が行ってしまったと赤田さんは言います。みんなはどのような「私」を見たいと思っているのだろうか?今の「私」なら、何をすべきなのだろうか?
私ではない「私」。ちゃんと期待に応えなきゃという葛藤。実は、これは解決できずに帰ってきていると言います。
みんなは結果に対して「すごい!」と声をかけてくれる。でも、すごいのは私ではない。みんなの支援で、みんなの想いで、私の「出来ない」ことが「出来る」に変わる。今はまだ帰国して間もなく、刺激的すぎた日常とのギャップに、何かがぽっかりと空いている気分だそうです。
ステッカーは、たくさんの方の協力があって、残り約3000枚。
これからも、自分らしい発信を探して、赤田さんはまだ「旅」の途中です。
今回、私が会った人
赤田佳奈絵さん
Twitter
WEBサイト
Kanapeace | 世界中1万人の出逢いを紡ぐKanapeaceプロジェクト
ゲスト
ホームレス小谷さん
新しい文化を切り拓いた池袋愛
今では池袋だけで7,000部が売れる「ワンコインランチ東京・池袋」。その誕生は必然だったのでしょうか。
3,000部も売れない本がほとんどだというこの時代。私の著作『複収入』が6月11日現在7,500部程度ですが、『ワンコインランチ東京・池袋』地域の限定性が極めて高い中での3か月ごとに7,000部です。貝原大和代表とは、出版あるあるでも、盛り上がりました。
今日、お話したいこと
1.最初にあったのは「なぜ?」の共有だけ
2.売れない在庫と250万円のマイナス
3.リスクはすべて、自分だけが背負うモデル
4.回り出した頼もしい歯車
最初にあったのは「なぜ?」の共有だけ
福岡の大学に在学していた貝原さんは、東京での就職活動のために友達3人とマンスリーマンションで生活することとなります。そこで、地方出身者の彼らが知っているターミナル駅の名前の中でダントツに家賃が安かったのが「池袋」でした。
そんなわけで、東京の会社に就職した貝原さんが住んだのも池袋。前職は、漫画喫茶の店長だったということです。
飲食店からお金をもらわずに、送客する仕組みとして、最初に実施したのが、いわゆる「街コン」でした。貝原さんの街コン事業は、東京で開催するものに関しては現在後輩に受け継がれていますが、福山市や北九州市で自身が開催する街コンに関しては、今でも安定して500名を集める優良街コンとして現存しています。
売れない在庫と250万円のマイナス
ひと言で言うと、「ワンコインランチ東京・池袋」を発行する出版社です。印刷も池袋の業者にお願いしている。純池袋産のプロダクトです。
第1号発行時、割引クーポンをお金を出して買うという概念が、まだ東京にはなかったといいます。
何もないところから、一からの説明が始まります。掲載店舗の開拓です。
まず、「お店からはお金をいただかない」というところから疑念を持たれることもあったと言います。「更新のタイミングで課金されるのではないか?」など、まずテーブルについてくれない。
書店にちゃんと置かせてもらえるのか?
どれくらいの送客をできるものなのか?
「ジュンク堂に置いてもらえるの?」池袋ではジュンク堂は圧倒的に大きな書店です。池袋に土地勘のある人は、イメージしてみてください。
説明の中での不確定事項がとても多く、苦しかったと語ります。共に立ち上げた仲間の中川さんと、大変苦しいステージを戦いました。
当初、中川さんと掲げた目標は100店舗。しかし、下方修正に下方修正を重ね、第1号は51店舗でのスタートとなりました。
さらに、1号、2号は思うように売れず、250万円のマイナスからのスタートでした。
リスクはすべて、自分だけが背負うモデル
「ワンコインランチ東京・池袋」の仕組は決して複雑ではありません。
お店からは一切のお金をいただかない代わりに、680円以上のランチを500円で提供してもらいます。これにより、もしお客さんが1人も来なかったとしても、お店へのマイナスは一切ないことが確証されます。
その上で、常識的に原価が500円以上のメニューはないので、空席があるくらいなら、お客さんが来てくれるメリットがお店にはあります。
なお、1店舗につき3度までという回数制限があるので、最大でも発行部数×3という上限のコントロールが可能です。
掲載店舗の90%がリピートするので、現在では新規営業にかける労力ほとんどなくなり、お店側から問い合わせが入るところまで来ています。
豊島区内330か所に置かれており、コンビニ、大学生協、家電量販店にまで置かれています。家電量販店のレジでのついで買い、ポイントによる購入の数が伸びているそうです。
回り出した頼もしい歯車
通常、決まったお店ばかりをローテーションしてしまうランチタイム。「ワンコインランチ東京・池袋」があることで、新規のお店への入店障壁を失くすことができます。スタンプラリー感覚で、各店舗を回ることができます。
知らない街には愛着が持てない。
もっと池袋を知って、池袋を好きになってもらいたいと貝原さんは語ります。
新しい価値観を世の中に提案するのは、とても苦しいスタートとなります。でも、1度実現すれば、見せることができるサンプルになります。百聞は一見に如かずなのです。
アイデアはいくら揉んでいても、100%理解されるものにはなりません。実現してはじめて0が1になり、改善により100%に近づけることが可能です。
今回、私が会った人
貝原大和さん(ワンコインランチ東京公式サイト)